北海道無計画旅10日目
こうして書き起こしていると、自分がこんなにも鮮明にこの旅のことを覚えていることに驚きます
それだけ僕にとって大きなものだったんでしょう
2018/09/12
朝起きて、冷えた体を熊の湯で温めに行ってから朝食を摂り、のんびり片付けをしていると、同じキャンプ場に宿泊しているおじさんに声を掛けられました
とりあえずお茶でもどうぞ、と、サイトに招き入れて手早くお茶を淹れてくれました
テント周りの装備とかもいろいろ整ってるし、本物のキャンパーってすごい..
曰く、ここにしばらく連泊している道民の方のようです
こちらもこの旅の話なんかをして、しばらく話した後
釣りに誘われたのでとりあえず行ってみることに
釣り場に着いて、簡単に釣り方なんかを教えてもらいます
海釣りは初めてなので、釣れるものなのかと思っていましたが、釣り場から覗くだけで魚がたくさん泳いでいるのが見えます
コツがいるようで、逃げられてしまうことも多かったのですが、何度目かのチャレンジで無事ゲット!
お昼くらいまでに計20匹くらい釣ったでしょうか?
名前を忘れてしまいましたが、食べてもとてもおいしいらしく、そのおじさんは持ち帰って捌いて食べると言っていました
我々に捌く手立てがないのが残念でした
いろいろと教えてくれた親切なおじさん、ありがとうございました
さて、おじさんとは釣り場で別れて、我々はR335を南下して標津へ向かいます
とりあえず標津まで出ないことには他に道は一切ありませんから..
海っぱたのなにもない道をひたすら車を走らせていると..
今なんかあったぞ?
ということで、運動靴に履き替えて(こっちに来てからこの用途くらいにしか運動靴使ってない!笑)お邪魔してみます
めちゃめちゃ良物件じゃないですか!
どうしてこう北海道っていうのはナチュラルに良物件が点在しているんでしょうか
荒らされていない、というところがポイント高いです
昨日の某ホテルはちょっとレベルが高すぎたのでこれくらいがちょうどいいかもね~なんて言いながら崩れそうならせん階段をギシギシ..
営業していないのが残念なくらい
ここでは食事はできなそうなので、標津の中心街へ
道路を見るだけで、かつてはここに駅があったんだろうということが容易に想像できます
北海道には各地にこういう道路があります
廃線の多さを物語っていますね
どこに駅があったかわかりますか?
駅跡に何かあるらしいのであとで行ってみることにします
とりあえず食事に..というところで大変なことが発覚しました
お支払をしようとしたら、財布に入れていたはずの諭吉さん約10人が消えているじゃないですか!!
いやこれは本当に参った..
レジでしばらく固まってしまいました
そしてこのあとしばらくは行方不明となった諭吉さんのことばかり考えていたのでテンションただ下がりです
これは、立て替えていたお金を旅に出る直前に回収したものの、停電でATMが使えず財布に入れたままにしていたために起こったんですが、お金を使わない日が続いていたので、なくなった日もよくわからないのです
管理が悪かったのはそれはそうなんだけど、何にせよ貧乏大学生の財布から大金を取った不届き者を僕は許しません
10万円返して~~
ここでフニフニ言っていても仕方ないのでとりあえず予定通り標津中心街を探索します
まずは北方領土館なるものがあったので寄ってみることに
無料で入れたのですが、元島民の声など、あまり触れたことがなかったことに触れられて勉強になりました
珍しく真面目に勉強気分で展示を見た我々でした
次に、標津駅跡へ
「国後島の見える駅」なるほど..
公園みたいな感じで綺麗にされています
すぐそばにはC11 224も静態保存されていました
さて次は、国後島に向かって延びているかのような砂嘴、野付半島
これが気になります
野付半島は、延長28kmにもなる日本最大の砂嘴で、車で行けます
行きます
右も左もすぐそこが海
むしろ舗装路があることがすごいというべきか
整備されて観光地化しているだけあって、確かに綺麗な景色です
この野付半島にあるトドワラやナラワラは、長い年月をかけて出来上がった砂嘴に生育した、樹齢100年を越えるトドマツやエゾマツが海水の侵食を受けて枯木となった姿なんだそう
枯木は確かに残っていましたが、腐朽は進んでおり、この姿を見られるのもいつまでなのだろうか..と思いました
車で入れるところの先にも絶景スポットがあるらしいのですが、我々の体力は既に限界なので、お風呂入って寝ます
お風呂は別海の温泉
別海の街に来て驚きました
鉄道もなくなってアクセスも良くない、小さな寂れた町だと思っていたのですが、学校や博物館、グラウンドやプールやキャンプ場、コンビニやスーパーやレストラン、旅館に温泉と大変充実したところでした
町営の新しく綺麗な設備が多く、若い人が多いのが意外に感じました
昼間に来たらもっと賑わっているのでしょうか
町営の施設群の中にある温泉に入り、予定していたキャンプ場に向かいます
ところがキャンプ場に着くも、誰もおらず..
宿を調べてくれていたK「ごめん定休日だった!」
無料キャンプ場にも定休日なんてあるのか..
じゃなくて、宿どうするんですかこれ
とっくに日もくれているし、近くのキャンプ場を探しても見つかりません
まあこれくらいのことは想定の上の無計画旅なので大丈夫です
20kmくらい先に道の駅を見つけたのでそこまで車を走らせることにしました
ごめんしくった..とKはしょげていましたが、この程度のミスは日本最北端で停電の日にインキーとかに比べたら可愛いもんです
無事道の駅スワン44ねむろに到着!
久しぶりの車内泊です
テント泊が思ったよりも快適すぎて車内泊全然してなかったけど、当初はもっと車内泊するかなと思ってたのでこれはこれでいいとしましょう
車内を整えて寝る体勢になったのは21時くらいだったか..こっちに来てからの感覚だと深夜です
この日の移動
移動距離 約170km(累計約2300km)
移動時間 約3時間
完全に中弛みって感じですね笑
このあと巻き返すので期待しててください
続く
北海道無計画旅9日目
最近ネトストのKにブログを監視されています
更新する度にチェックしては、コメントを残すでもなく、会うたびにニヤニヤしながら「で?今年の夏は何すんの?」とか訊いてくるし、たちが悪い
2018/09/11
さて、北は攻めたし、そろそろ最東端を攻めよう
ということで、今日はまず知床に向かいます
昨日とは打って変わっていいお天気です
今晩は焼き肉だ!ということで朝から肉の買い出しをしました
クーラーボックスにポイー
そして、旧国鉄根北線の未成区間にかかる越川橋梁を見に行きました
この越川橋梁は、大赤字路線であった根北線延伸のために、多くの犠牲者を出しつつ、鉄筋を使わずコンクリートだけで作られた橋梁ですが、結局未成のまま根北線自体が廃線となってしまったため、レールが敷かれることもなくその生涯を終えました
そして国道を通すために一部切り取られたものの、重要文化財として残されているそうです
鉄道遺構のなかでも橋梁というのは特に魅力的に感じるのですが、こういうストーリーはなんだか物悲しい気持ちにさせられます
次に訪れたのはウトロ
北海道の地名のなかでも漢字をあてられることが非常に少ない地名ですね
道路の青看板でも、ほとんどがカタカナ表記、一度だけ宇登呂表記を見ました
そして、知床峠を登ります
北海道の峠と名前のつくところは、本州の峠と違って、勾配も曲率も緩やかなところが多いのですが、ここ知床峠は僕の感覚からしても峠でした
登りきった展望台の寒いこと
9月の快晴の日だというのに、重ね着をしても震えるほどでした
そしてこんなものが
海の向こうに国後島が見える!
こんなにも近いとは..
つい、なんとかして渡れたりしないものかと考えてしまいます
そこらへんに船打ち捨てられてるし拾って直したら行けるんじゃ?とか話しながら調べると、意外とそういうことをしようとした人はいるんですね..
生身で泳いで渡ろうとして速攻で捕まった人の話はおもしろかったです
気持ちはわかるけど
ともあれ、とりあえず峠を越えて道の駅 知床・らうすで食事にしました
いろいろ海鮮系があってどれも魅力だったのですが、お財布とも相談して、黒ハモ丼に
ご馳走さまでした
次に、羅臼岳の東側、r87を行けるところまで行ってみることに
車通りはほとんどありません
車でこれ以上進むのは難しそうなので、降りて少し歩いてみます
砂利道で足場も悪いのですが、ここまで来れました
人の気配はほとんどなく、使われているのか定かでない船がたくさん置いてありました
海の向こうには北方領土が見えます
半島の先端まで行く人もいるそうなのですが、かなり厳しい道らしく、素人が行くのは危険な上、時間もかかるので朝早くに出発しないといけないようです
ともかく相変わらずTシャツ短パンクロックスの我々の装備で行くところではないので、ちょっとだけ歩いて引き返すことにしました
こんな怖いことも書いてありますし!
羅臼に戻る途中、r87沿いに先日立ち寄ったような無料露天風呂があるというので覗いてみると
今は時化で入れないそうです
この苔むしっぷりでは、いつなら入れるのか疑問ですが..
さて、続いてもう一度知床峠を越えて、今度は羅臼岳の西側、r93を行けるところまで行ってみることにします
こちらの方が先ほどより険しい道で、途中からは未舗装になるくらいなんですが、圧倒的に通行量が多いです
それも、レンタカーなどの観光客らしき人
知床五湖などの観光地は彼らに任せて、我々は奥へと進みました
最奥にはゲートがあり、車は入れないようになっていました
登山口と駐車場があり、意外に車が止まっています
何をしているのかなと思うと、カムイワッカ湯の滝に来た人々のようです
見た目は緩やかな滝というか川なのですが、確かに手をいれると温かいです
温泉というほどではないけれど..
元気な人たちは飛び込んだりしていました
我々はへっぴり腰になりながら岩面を四つん這いになって上ったり下りたりするのが精一杯でしたが..
と、順番が前後しましたが、実はこのカムイワッカ湯の滝の方に来る前におもしろい寄り道をしていました
最初通ったときから気にはなっていたんです
でもあまりにも国道沿いに自然にあるから通りすぎてしまって
今度は寄れました
鍵もかかっていないのでお邪魔させてもらうと..
これは..!
今まで見てきた中でも上位に食い込む廃の予感..!
大きな観光ホテルなので見るところはたくさん、そして瓦解は起こっていないものの雰囲気は満点というまさに旬の廃
そしてこれだけ魅力的な廃にも関わらず人の手がほとんど入っていないのはこの場所の辺鄙さ故でしょうか
フロントに山積みにされていたこのホテルの公式パンフレットを片手に、当時に思いを馳せながら歩いていきます
しばらくすると上の階から足音のようなものが聞こえてきます
廃探索中に他人の気配を感じたときは、大抵同業者か管理者のどちらかを想定するんですが、外を見ても車は停まってないしどうもどちらでもないような..
とにかく一通り探索はしたしちょっと怖くなったのでKとふたりで逃げ出しました
こう見えても小心者なのです
外に出て、このホテルについて調べると、どうやら数年前まで営業してたらしく
数年でここまで老朽化..?豪雪地帯だしそういうこともあるのか..?
と思いましたが、どうやら営業していた頃からボロボロだったらしく、廃墟ホテルとか心霊ホテルとか言われていたらしいです
それが本当に廃墟になったらそれは....
なんて、ね..
さて、話は戻って、コンビニとかがあるウトロの街に戻ってきました
17時過ぎですが日が沈みかけています
本当に東に来たんだなあと思いました
どうやらこのあたりからの日没は綺麗だそうなので、せっかくなので十数分待って日没を見ていくことにしました
これ以上ない美しい日没でした
日没後時間がたつと暗くなってしまうので急いで宿に戻ります
先ほど通ったときにチェックインと最低限の設営は済ませてあるので、今からやるのは食事と温泉
暗くなる前に..と思ったのですが日没を見てたせいで結局暗くなって、おまけにめちゃくちゃ寒くなってきましたが、カセットコンロ×焼肉プレートのお手軽焼肉で乾杯!
本格焼肉もいいけど、こうやって食べるお手軽焼肉は絶品です
温泉は、道路向かいにある熊の湯です
ここも有名な無料露天風呂で、地元のお爺様から外国人観光客までたくさんの人で賑わっていました
洗面器などの設備はあり、それで湯を汲んで体を洗うことができます
もちろん石鹸等は持ち込みです
それにしても、知床、本当に寒い!
北海道の9月を完全になめてました
この日ばかりは持ってる服を全部着て毛布とかシュラフとかを身体にぐるぐる巻いて寝ました
9月って言ったら東京ではまだまだ暑い時期なのに、外気温が7度とかで、薄手の長袖長ズボンくらいしか服を持ってきてない我々は毛布にくるまって震えるしかありませんでした
この日の移動
移動距離 約250km(累計約2130km)
移動時間 約4時間半
観光ド定番の知床でやったことが廃探索と峠遊びというのもどうかとは思いますが楽しかったです
道東はどこに行ってもおもしろいと個人的には思っています
続く
北海道無計画旅8日目
これを書きながら、こりゃ今年も何かおもしろいことをしないとなあ、なんて思っています
やりたいことはたくさんあるんだけど、相変わらず何からやったらいいかわからなくて悩んでるのでいい案があったら教えてください
2018/09/10
この日はちょっと南の方に行ってみることに
前来たわ~懐かしい~なんて言いながら女満別空港とかを通って、摩周湖へ
車をおりて展望台にのぼってみると..
....
これが摩周第三展望台からの眺めです
..天気は仕方ない
気を取り直して摩周駅方面へ
この辺は弟子屈というのだそうで
今更だし当たり前なんですけど、北海道の地名って本当に読めませんよね
僕はこの旅で大分覚えましたが、どれも由来とかを調べるとおもしろいです
で、さて腹ごしらえもしたし..というところで僕とKがふたりそろって見てたのがこれ
この写真は、あの思い出の場所の写真を撮るのを忘れた!!とか言って冬に再訪したときに摩周駅から往復1時間くらいかけて歩いて撮った写真です
で、そんなにまでしてなんでこんなのが撮りたかったかというと、なんか飯食い終わったあとふたりそろってこれを見て同時に「SUBU」ってボソッと呟いて、それ以降我々の中でSUBARU→SUBUになったのがおもしろかったからです
しょーもな…
どう考えてもめちゃくちゃしょうもないんだけど、この旅自体がそもそもしょうもないので仕方ない
ともかく、この旅の間に数々の迷言が生まれたんだけど、その中でも特にお気に入りがSUBUです
田舎の車屋ってわりとこんなもんだとは思うけど、なんで店の看板の文字が無くなってるのに放置するんですかね
おかげで今でもナチュラルに「SUBUデラ(ディーラーのことを自動車部の人はデラとか寺とか言います)行ってくるわ」とか言ってしまいます
摩周駅には足湯がありました
ていうか川湯温泉駅にも足湯あったし足湯ありすぎでは?
足湯にいちいち「足湯以外の使い方をしないでください」的なことが書いてあったのがおもしろかったです
全裸になって飛び込む人でもいるんでしょうか
いちいち足湯に入りながら釧網本線沿いを北上、今度は屈斜路湖の方に行ってみます
どうやら屈斜路湖周辺に、コタン温泉露天風呂という無料の温泉があるというのでそこを目指してみます
えーっと、
..湖では?
でも確かに湖とは岩で隔たれていて、手を入れてみると温かいです
随分豪快な温泉ですね..
多少の躊躇はあったものの、こんな経験は滅多にできまい!ということでここを今日の湯とします
左右の小屋が男女それぞれの脱衣場だそうなので、そこで服を脱いで、掛け湯をして、男湯と書かれた方に入ります
..手前にこそ岩が隔てているけど奥は繋がってるじゃん
事実上の混浴~
雨だったのもあって、最初は誰もいなかったのですが、しばらくすると地元の人がやってきました
この雨のなか露天風呂とはまた変態ですね、さすが
少しお話をして、我々は先を急ぐことにしました
今日の宿は浜小清水前浜キャンプ場です
道も多くないので、さっき通った道ではありますが、美幌から小清水までR334を東へ
ここは道の駅はなやか(葉菜野花)小清水も併設され、コンビニなどもあるわりと大きな駅です
で、葉菜野花ってなんですか
北海道の道の駅は変な名前のところが多い気がします..
ともかくここで晩御飯の買い出しをしました
そして、キャンプ場に行くと、ネットには載っていない情報が書かれた紙が貼ってあります
それは..閉鎖
そんな..!と慌てる我々に、キャンプ場にいた地元の人が声を掛けてくれました
曰く、「水が出ないだけで勝手に使って大丈夫」とのこと
その「大丈夫」がどういう意味なのかはわかりかねますが、他に宿もないし、地元の人も使っていることだし、ということで、ここを宿とします
到着時はもう暗かったのでこれまた翌朝の写真ですが、こんなふうにオホーツク海が見渡せる綺麗なところです
たまたまトランクが開いてる写真なんですが、今見ると本当にぎっしり物が詰まっていて驚きます
どんな積み方をしてたのか、とか意外と貴重な写真かもしれませんね
そして、周りの人たちにならって車を乗り入れて、ペグが打てそうなところを探してテントを建てます
もう慣れたもので、あっという間に寝床が整います
必要に迫られたときがいちばん習得能力が発揮されるというのは本当なんでしょうね
旅の後半には、キャンプ愛好家の人たちにも負けない巣作りや片付けの手際のよさが身に付いていたんじゃないかと勝手に自負しています
テント内も改良を続けているおかげで日に日に快適になっていきました
テント用マットの上にキャンプ用の折り畳みマットレスをテントの対角になるようふたり分並べて敷いて、寒い日以外はシュラフと毛布もその上に敷きます
これで土の上に建てたテントでも背中が痛くなることはありません
掛けるのはタオルケットとシュラフ
知床とかを除いて、それほど寒いわけではなかったのでシュラフをシュラフとして使うよりは、暑くなったらどけられるように身体に掛けて使っていました
身体に触れる部分にシュラフを持ってこないのは、肌触りが悪いからです
これもシュラフを3つ持ってきたからできたことでした
いろいろと自己流ですが、これが我々の持てる装備のなかで改良を重ねて最終的にたどり着いたいちばん快適な寝床のスタイルになりました
この日の移動
移動距離 約230km(累計約1880km)
移動時間 約4時間
移動距離はそこそこですが、実は出発地点と到着地点は釧網本線にして6駅しか離れていないという
素直に行けば30km足らず、車で30分の距離です
北海道一周というと、海岸沿いをぐるっと回るのをイメージする人が多いかもしれませんが、内陸の方も楽しいのにそっちに行かないのはもったいない!ということで、一周というより塗り潰すような、毎日毎日こんなコースになってます
続く
北海道無計画旅7日目
2018/09/09
朝起きて、テントや昨晩の夕飯の片付けをします
この頃にはだいたいテントの組み立てや片付けも暗黙の了解で分担が決まってきて、あっという間に限られた車内のスペースにキャンプ道具が収納されていきます
さて、東へ、ということで、とりあえず山を降りて遠軽に向かいました
遠軽駅は石北本線のスイッチバック駅だということをなんとなく覚えていたのですがなぜでしょうか
ともかく駅に寄ってみました
石北本線沿いを北見まで行きます
なんとなく前行った北見を再訪してみたかったのです
なんでまたこんな道にいるんでしょうか
ラリー北海道とか言ってる場合じゃないです
ラリー北海道まではあと1週間あります(そこじゃない)
ともあれ北見に着いて昼食を摂りながら風呂と宿を決めました
網走湖畔の温泉旅館の立寄湯と無料キャンプ場です
なんでかは忘れましたが、石北本線沿いからは外れて、北に向かいました
佐呂間です
とりあえず道の駅に寄って、周りを見渡すと素敵な廃ホテルが立ち並んでいます
中でもひときわ目立つのはルートイングランティアサロマ湖
裏手の写真しか撮ってなかったのでストリートビューを拝借します
ここは厳密には廃業じゃなくて休業なんですが、まあ再開の目処は無さそうですね
まるで夜逃げのように、雑に食器やら椅子やらが積み重ねられた食堂はガラス張りで外からよく見えましたが、裏手には鍵もかかっていない廃車が打ち捨てられてあり、貼り紙には休業とだけ書かれていました
向かいにはこんなアパート?民宿?のついたドライブインも
窓も割れて中の様子も覗けました
趣のある廃れ具合です
隣には廃バスも
国道沿い、道の駅もあるところなのに見渡す限り廃ばかりです
この佐呂間という町は一体何なんでしょう
とても景色の綺麗なところなんですが
こんな道を上ったところにあります
動画↓
https://twitter.com/rail0125/status/1038690083346341889?s=09
今回に限っては我々が変な道を選んだとかじゃなくて、看板に従って展望台を目指す道を行ったらこうなりました
実際他の車ともすれ違いました
この幅で相互通行は無理があるでしょ
展望台に名前とか書くところがあって、「ご意見・ご要望」の欄があったので「WRC」と書いてきました(悪ノリ)
観光誘致的にはどうなの、と思いつつも僕はこういう道大好きです
サロマ、応援してます
ともかく展望台からの眺めは、恵まれない天気ながらも素晴らしいものでした
地図を見ればわかるのですが、完全にオホーツク海と繋がっています
元々は海と隔てる砂州もなかった、とか、砂州に水路を開いた、とかいろいろ道の駅や展望台に説明がありました
昔は国鉄湧網線も通り、ホテルもあり、観光も盛んだったようで、調べれば調べるほどおもしろい町です
オホーツク海沿いを走り、能取湖をぐるっと回って、網走へ向かいます
オホーツク海をまじまじと眺めたのは生まれて初めてでした
まじまじと眺めすぎて写真はありません
写真があるのは小さな公園と神社くらい
網走に着いて、せっかくなのでお寿司を食べました
ふつうの回転寿司のお値段で、新鮮で上質なお寿司が食べられるあたり、さすが北海道ですね
日も暮れてしまったので、昼間決めた立ち寄り湯に向かいます
温泉旅館もとよしの立ち寄り湯です
で、全く下調べなしに行ったんですが(この日のお風呂と宿はKに決めてもらったので)、僕は温泉旅館のすぐそばに建っているこれがとても気になります
(朝の写真ですが)
さすがに関連施設だろうということで、一体何なのか、温泉から出るときに尋ねてみました
すると、向かいの建物は別館だということで、オーナーさんによると、いつもならあり得ないんだけど震災の影響でいちばんいい部屋が空いているから、古くてうるさくても構わないなら泊まっていくといいと言ってもらえました
特に他に宿をとっているわけでもないし、お値段もお手頃だったので、今晩の宿は「温泉旅館もとよし別館 鉄ちゃんと鉄子の宿」に決まりました
早速中に案内してもらうと、秘蔵の本や写真、グッズの数々が出迎えてくれます
ええ~!!こんなに貴重なものが(きっと僕には価値がわからないものもあるのでしょう)こんなにポンポンと置いてあっていいんですか!?
転売したら足がつくくらいレアだから逆に大丈夫wとかオーナーさんは仰ってましたがそういう問題じゃないです
これだけあるから寝る暇ないかもしれないよ、と言われましたが、本当にうっかりしていたら朝になってしまいそうです
他の宿泊者も奥の部屋で遅くまでNゲージで遊んでいました
我々の部屋はこんな感じ
部屋の窓から石北本線が見えます
時刻表も貼ってありました
この宿にある物は、基本的にはオーナーのコレクションだそうですが、この宿のファンからの寄贈の本やグッズも多いそうです
洗濯機も寄贈品らしく、お借りしました笑
飛び込みなのもあって、あるものは勝手に使ってくれて構わないよ~という感じだったので、懐かしいブラウン管テレビでVHSを再生したり、本を読んだりしながらゆっくり過ごしました
せっかくオーナーさんから説明もしてもらったことですし、いろいろ蘊蓄を垂れたいところではあるのですが、そういうのはきちんとここを目当てにして泊まりに来た人にお任せしましょう
ともかくこういう予定外は嬉しいものです
この日の移動
移動距離 約320km(累計約1650km)
移動時間 約6時間
秘境ばかり走っていると電波が入らないがちなので、タイムラインで見るとちょくちょくワープしています
距離はちゃんと自分で計算しないと本当にざっくりしか出ませんね
続く
北海道無計画旅6日目
2018/09/08
前日に決めた通り、塩狩駅を6時44分に出る汽車に乗って東六線駅に行きます
昨日までは運休だった宗谷本線、ちょうど今朝から一部運転再開だそうです
なんて運のいい
この時間だと、6時58分に東六線駅に着き、反対方面の汽車が7時11分に来るので、一通り東六線駅を見て、7時半くらいに宿に戻って朝食を食べられるのです
これが塩狩ヒュッテオーナーさんおすすめの往復520円で秘境駅を訪れられるプランです
いいですね~いかにもなローカル線、秘境駅!
東六線駅は、1日4往復の列車が発着する一面一線の小さな駅です
詳しいことは調べるといくらでも出てくるのでこのへんにします
http://www.kembuchi-kankou.com/temp/higashieki.html
宿に戻って、他の旅の人たちやオーナー夫妻とお話をしました
他の旅の人たちの中には、鉄道旅の人も多く、駅から近いこの宿で、震災以降JRの運転再開をずっと待っていた人たちもいました
彼らは朝食後の列車が来るのを待って旅を再開していきました
全道では運休の路線も多い中、易しい旅路ではないでしょうが、彼らの笑顔からは不安は感じられませんでした
オーナーさんと一緒に駅まで見送りに行きました
他にもバイクや車の人たちも見送り、我々は洗濯物が乾くのを待っています笑
長々と居座る我々にお茶を出してくれたりと親切にしてくれたオーナーさんありがとうございました
我々のことを書いてくださった記事を載せておきますね
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=2304098299619399&id=464860163543231
オーナーさんが手作りで建てたという、とても素敵な宿だったので、自分たちの部屋以外も見ていいですか?と訊いて見せてもらいました
手作り感の溢れる優しい宿です
旅ノートにコメントを書いておきました
昼頃には洗濯物も乾いたので出発とします
ひとまず旭川でお昼を食べてこの後の行程を決めました
幌加内駅跡
綺麗にされていますね
第三雨竜川橋梁
廃線とかって、悲しいものではあるんですが、こういった作った人たちの思いが伝わる形で保存されているのはいいことだなと思います
道なき道を進み続けた愛車
今見ると汚すぎてびっくりするけど、そのときは特になにも思ってませんでした
泥だらけの車で、昼も夜もTシャツとスウェットとクロックスで過ごす..これが我々の旅のスタイルになりました
そして、添牛内駅跡
これだよ!こういうのを求めてたんだよ!!
駅舎は自然に身を任せて朽ちゆくままに
駅舎裏には草に埋まった線路と、ところどころ崩れているホームが確かにあります
駅前にはもはや原型を留めない廃屋
でも確かに存在する駅名の書かれた板
駅舎の入口は施錠されていますが、そこに駅ノートが入った袋がぶら下げてありました
読むのも面白い、書くのも楽しい
廃駅にまで駅ノートがあるなんて素敵ですね
次に訪れたのは温根別ダム
ここは、伊文という集落を沈めて作ったダムのようで、眼下には道路や家屋の跡のようなものが見えます
台風の後だというのに水はほとんどなく、緑が見られますが、どうやら現役のダムらしく、この時期は水がないとか
確かに、工事車両のようなものは行き来していました
というかそれしかいなかったので未舗装路をガシガシ走っていったり、藪の中に突っ込んでいったりしていたら、変な目で見られました
町を沈めて作ったダムって、人工物ではあるのですが、かつて人々が生活していた道路やそれに付随する標識や橋梁、そして家屋などの建物が、水というある意味自然とも言えるものに飲み込まれ、姿を変えていく様は、廃墟に共通するものがあると思います
朽ちるに身を任せる、確かにここに生きた人々の証
その物悲しくも美しい姿に心惹かれます
水を湛えているときは、そしていずれさらに朽ちれば、これらの証も見ることができないのだろうと思うと、いつまでもこの景色を見ていることができました
さて、今回の温泉とキャンプ場はそれぞれまだ距離があります
日も傾いてきたので温泉に向かいました
そしてスーパーで肉と酒を買い、キャンプ場に向かいます
すっかり日が暮れてしまいましたがテントを立ててカセットコンロでお手軽バーベキューとします
これは翌朝の写真ですが、こんな感じで車をキャンプサイトに入れられるキャンプ場だったので、車とテントの間でバーベキューができました
疲れた身体に肉と酒が沁みますね
この日の移動
走行距離 約220km(累計約1330km)
走行時間 約5時間
ぐるっと内陸を回った感じになりました
そろそろ東の方に足を伸ばしてみることにします
北海道無計画旅5日目
2018/09/07
22歳の誕生日は、日本最北端の地で迎えました
朝起きると、停電・断水が部分的ではあるが解除されたとのこと
これでお風呂に入れる..!(そこかよ)
とりあえずうまいもん食いたいよな、ということでキャンプ場のある小高い丘から街に降ります
まだ9時頃だったのでやっているお店は多くはなかったのですが、かに丼にありつけました
ご馳走さまでした
腹ごしらえもしたところで宗谷岬を目指します
↓ロシア語が書いてある青看板
10分ちょっとで宗谷岬に着きました
来たぞ日本最北端!
人が少なかったのでこんなところに車を置いて写真を撮れました
展望台に上がってこのまま樺太いかね?とか言ってみたり、波打ち際まで岩を渡ってこれが本当の日本最北端!とか一通り騒いだあと、宗谷郵便局に行ってみました
ここでは、オリジナルの葉書が出せる、なんて話を聞いたことがあったので、しばらく連絡を取っていない祖父母に葉書を送ってみました
調べたところ、クッチャロ湖畔の浜頓別で温泉に入れそうなので、そこに向かいます
1日半ぶりの温泉は沁みました
そこでお昼も食べ、せっかくだからとクッチャロ湖を見に行くと、そこにもキャンプ場があり、出店が出ています
ソフトクリームを売っていたので見に行くと、「ちょうど停電復旧して機械のテストをしていたところだから、ちょっとゆるいかもしれないけどそれでよければあげるよ」と言われ、ソフトクリームをいただいてしまいました
ご馳走さまでした!
クッチャロ湖を眺めながらおいしくいただきました
ここで海岸沿いを離れ、R275(途中R40重複区間あり)を南下していきます
この道面白そう!とか言いながらあちこち寄り道しつつも着実に進み、宗谷本線の恩根内や美深の駅にも寄ってみました
残念ながら震災の影響で運休しているので列車は来ません
でもなぜか隣の踏切は永遠にカンカン言ってました
しばらく待ったけど、これはいくらなんでも故障だろうということで、安全を確認しながら渡りました
駅舎の向こうから覗くインプちん
恩根内近くのオグルマナイ川沿い、美深中川線は面白かったです
美深中川線自体はこんな感じで投げやりな舗装がされているものの
その先は通行止とのことで、面白そうな予感しかしません
実際通行止のところまで行って引き返したのですが、途中にこんな
いかにも入ってくださいみたいな脇道がたくさんあって、いちいち泥だらけになりながら入ってしまう我々でした
別にスタックしたわけじゃないです
草ヒロみたいでかっこいいでしょ?
車の幅の方が道幅より大きいみたいですが、気にしたら負けです
応援されてるみたいなので頑張ります
めざせWRC!
そのままR275で朱鞠内湖まで行ってみます
展望台
車汚すぎな?
懲りずに朱鞠内湖近辺の変な道を行く我々です
ここらでR275とは別れ、R239で士別に向かいます
宗谷本線とR40との再会です
士別のセイコマは..
本当になにもありません
これ、れっきとした営業中のコンビニですよ、それもド田舎とかじゃなくて、わりと大きな街です
物流が途絶えるってこういうことなんですね..
でもホットシェフの棚になにかあるようです
電気と水が復旧したから塩おにぎりだけは作れるの!だからとびきり大きいのを作ったよ!元々のメニューにはないから手書きの値札を付けて温めて売るよ!空腹だけでも満たしてね!
ということだそうです..心まで暖まりそうです
こんなに優しくて素敵なことができるセイコーマートという企業、そして店員さんたち..それは北海道という風土をそのまま表しているような気がしました
セイコマ大好き
そして、
実は宿を取っていました
宿代ふたりで11060円!
前日の夜に停電・断水の復旧を見込んでwebから予約していたのが功を奏しました
洗濯物が限界なので洗濯機をお借りして洗濯しました
実は今回の旅でいちばん苦労したのは洗濯です
テントは快適だし、温泉もそこここにあるし、車から電源も取れるし、食べ物はいくらでもあるんです
が、洗濯は、同じ場所に長いこと留まっている時間はないのでコインランドリーも難しいし、というかそもそもコインランドリーがほとんどないし、そして濡れ物は車内に長く置いておくと臭くなるのです
無料キャンプ場で洗濯機があるところはほとんどありません..
なので何度か宿に泊まったのですが、その目当ては主に洗濯です
今回の宿、とても面白そうな宿なのですが、到着が夜になってしまったので、いろいろ見せてもらうのは明日にしようと思います
書くのも明日の記事に
この日の移動
移動距離 約330km(累計約1110km)
移動時間 約5時間半
明日は早起きして宿のオーナーさんおすすめの塩狩駅⇔秘境駅東六線駅往復ツアーをしよう、起きられたらね..
ということで寝ました
今日はたくさん走ったので疲れました
続く
北海道無計画旅4日目
2018/09/06
前日早く寝たので7時とかには起きたんですが、疲れてたからかテントでも案外快適に寝れたなあとか、暴風雨で飛ばされなくて良かったなあとかぼんやり考えながらゴロゴロしてました
そしたら先に起きていたKがスマホ片手に何やら大騒ぎしています
どうやら我々が寝ている間に大変なことが起こったらしいことがわかりました
北海道に行くってことだけは一部の友人知人には話してあったので、僕にも何件も「地震大丈夫?」「生きてる?」等LINEやTwitterのリプライが来てました
ご心配おかけしました、連絡くれた人ありがとうね
北海道といっても広いので、僕らのいた増毛は揺れはほとんどありませんでした
それでも震度3くらいはあったらしいんですが、風での揺れの方が強くてわかりませんでした
とはいえ昨日、一昨日あたりにいたところで大地震が起こったこと、船便などの交通手段や流通が途絶えていること、さらには全道で停電・断水が起きていることなどは、決して他人事ではないという意識を持つには十分すぎる事実でした
運のない人間なので、台風が来ないはずの北海道で台風に遭い、地震が起こらないはずの北海道で地震に遭います
ちなみに、僕らの乗った3日の夕方便以降のフェリーは翌日、翌々日は台風で、それ以降当面は震災の影響で運休になったので、たまたま選んだ3日の夕方便は、たまたまベストな選択でした
そのへんはラッキー
とりあえずテントから出てみるも、特に変わった様子はなく..
テントを片付けて最寄りのセイコマに朝飯を調達しに行くことにしました
そこで異変に気づきます
信号機停まってる!!!!
東京の信号機は停電しても動いてた気がします
北海道は停まります
何もない道ならいいんだけど、交通量のあるところは結構怖かったです
数日間はこれが続いたので、実際都市部では信号機の停止による事故も多かったらしいですね
僕らが通った道は他の車がいないようなところが大半だったので、そこまで不自由はしませんでしたが..
市街地では警察官が交通整理をしている様子も見かけました
手信号なんて、教習所で習ったは良いけど使う機会ないし忘れたよ、みたいな人がほとんどな気がしますが..
(これは留萌の市街地での写真です)
ともあれセイコマに到着したものの、ニュースを見た地元住民が殺到し、食糧はほとんどありません
また、コンビニ自体の物流や電力も途絶えているので、仕入れも入ってこないし、要冷蔵・冷凍品なんかは軒並み販売できない状況でした
いつもは温かくておいしいお弁当や軽食を提供してくれるホットシェフもお休みです
店内も何だか暗くて、東日本大震災のときを思い出しました
結局我々がありつけたのはカップ麺だけ
まだこの時点では在庫もたくさんあったので、今後のことも考えて多目に買っておきました
それもコンビニの給湯器は使えないので、コンビニの裏でカセットコンロでお湯を沸かして食べます
多摩ナンバーの車からキャンプ道具を引っ張り出して、コンビニの裏に座り込んでカップ麺を啜る若者ふたりに声をかけてくれる地元の人もいました
大丈夫です、私たちにはテントという寝場所もあるし小さなキッチンだって持ってるし、ガソリンもたくさんあるから電気の心配もありません
朝飯を摂りながらいろいろと調べていると、情報は少ないものの、道北方面は少なくとも道路の寸断などの甚大な被害はないということで、予定通り北を目指すことにしました
宿などの予定が立たない状況なので、とりあえずなんとかなりそうな大きな街へ、ということで稚内市街を目指すことにします
今日はR232を素直に北上します
このR232はオロロンラインといって、日本海沿岸を北海道らしい広くてまっすぐな道が延びている、有名なドライブスポットです
北上ルートは、左手に海を、右手には果てなく広がる草原を眺めながら進んでいくことになります
観光案内とかで見るいわゆるオロロンラインは、だいたい留萌から天塩をさすと思うのですが、小樽から留萌もオロロンラインではあるそうです
留萌までは、途中旧増毛駅などに寄りながら進みました
廃線や廃駅が好きなので、北海道に車で行ったらぜひ廃線巡りをしてみたいと思っていたので、そのひとつです
旧増毛駅は、元々留萌本線の駅で、つい最近まで列車の発着があったこともあり、廃駅としてはきれいにメンテナンスされていました
どちらかというと観光地化しています
駅舎を利用してミュージアムにしたり、あえて線路や駅名標を残して線路を歩けるようにしていたりしました
よくも悪くも綺麗な廃線でした
むしろなんとなく通りかかった増毛小学校?の方が廃墟感がすごかったです
留萌駅にも寄りました
大きな駅なんですが、やはり廃線化が進んだ影響なのか、はたまた震災の影響なのか、人影は少なく、とにかく全道の鉄路が機能していないことくらいしかわかりませんでした
駅そばのお店の人と常連さんは、当分は営業できない、そりゃあ大変だ食べるものがない、なんて話をしていました
市街地は水や食糧、ガソリンを求める住民でちょっとしたパニックでした
↓ガソリンスタンドに列をなす車
我々は携行缶があるからいいものの、手書きの「売り切れ」の看板を出して店を閉めているガソリンスタンドなんかも見受けられ、事の深刻さを物語っていました
あとは天塩まではひたすらオロロンラインを北上します
本当に気持ちいい道ですね
右手側は、風車があったり牧場だったり、時々姿を変えますが、左手側はひたすら日本海です
広くてまっすぐで、有名なドライブスポットなだけに、警察の取締が厳しいなんて話も聞いていたんですが、震災でそれどころじゃないのか警察の姿はありません
オービスも停電なので無法地帯です笑
信号も渋滞もない道なのであっという間に天塩に着きました
天塩でR232から降り、宗谷サンセットロードという海沿いの道を通ってサロベツ湿原、抜海を経由して野寒布岬へ
とても寒かった..
ここまでほぼノンストップで来たので少し休憩
改めて稚内駅を目指します
稚内駅!日本最北端の駅です
駅に隣接して道の駅わっかないがあるのでそこに車を停め、駅前のセイコマでごはん..と思ったのですが
ご覧の通りです
水も売り切れでした
水がないとカップ麺も食べられないので、お酒の割り剤コーナーにあった炭酸水と、氷を購入しました
ミネラルウォーターには目が行っても、意外とこういうものは見落としてしまうものなんでしょうか、残っていました
氷を買おうとすると、店員さんに「ほとんど溶けてしまってるけど大丈夫ですか?」と言われました
「売り切れてる飲料水の代わりに使うので大丈夫です」と答えると、賢いと褒めていただきました
そして、もうひとつ問題が
車の鍵を閉じ込んでしまったのです
いやはや本当に何やってるんでしょうね..
ともかく、車内のキーシリンダーに間違いなく鍵が刺さっていて、ドアは運転席側も助手席側も間違いなく閉まってるので、保険のロードサービスに連絡します
よく壊れる車に、よくこういうミスをするオーナーが乗っているので、ロードサービスへの連絡は慣れています
インキーをしたことと、その場所を伝えると、地震は大丈夫なんですか!?と心配されました
うーんと、鍵があってトランクが開けば、そこに食べ物とかもあるのでなんとなるけど今現在は全然大丈夫じゃないですね..
酷道を走らされて泥だらけになり、日本最北端の地でインキーされる愛車がかわいそう..
とにかく、保険とJAFのツテで近くの鍵屋さんを当たってくれるとのことなので、街を歩いて連絡を待ちます
稚内にはロシア語が目立ちます
道路の青看板にもロシア語が書いてあるくらいです
大学から安否確認のメールが一斉送信で来ていたので回答してみました
結局特に返事はありませんでした
何のための安否確認なんですかねえ..
そして来た連絡は、停電のために街の鍵屋さんは軒並み営業していない、そして、していても固定電話が停電で使えないので連絡がつかないとのことなのです..!
携帯電話で東京の保険屋さんに電話していたから気づかなかったけど、なるほど言われてみればその通りです
頭を抱えていると、地元の人が声をかけてくれたりします
最近の車はリモートキーとかだけど、こういう車は内側から鍵かけてそのままドア閉めちゃうから危ないね..
仰る通りです
車が開かなかったらどうしよう、と困り果てていたところに、保険屋から連絡が来ました
曰く、「キーシリンダーから鍵を開ける会社ではないんですが、窓枠をこじって棒を車内に入れて内側から鍵を解除するサービスの会社なら連絡が取れました」とのこと
どうやらお休みのつもりだったところを駆け付けてくれるらしいです
窓枠などが傷んでしまう可能性があるとのことですが、この際そんなことを気にしていられません
僕の車は窓枠がないサッシュレスな上、2ドアなのでドア縁から内側の鍵までが遠く、開けられない可能性もあると言われたのですが、とにかく来てくれるとのことなので藁にもすがる思いで待ちます
業者の人は言っていたよりもずっと早く来てくれ、作業をはじめてくれました
予想通り、サッシュレスと2ドアのためになかなか大変です
まず空気をポンプで吹き込むと膨らむシートを窓とボディの間に滑り込ませ、膨らませ、棒を入れる隙間を作ります
僕も手伝って、何度も失敗しながらもなんとか棒を入れることができました
ところが鍵までが遠すぎて棒が届かないので、棒を延長して、なんとか鍵を開けることができました
車の鍵が開く音にあんなにも安堵したのは初めてでした
保険屋さんと業者さんとKには本当にご迷惑をおかけしました
そして稚内の皆さん(本当にそこにいたほぼ全員が気にかけてくれました笑)、どうしよう!!とかいって連絡した友人知人、ご心配おかけしました
もうこの日はいい時間になってしまったし、断水でお風呂にも入れないし、ということで、稚内森林キャンプ場へ向かいます
キャンプ道具と食糧が取り出せればなんとかなります
キャンプ場には、震災の影響なのか結構人がいました
周りにならってテントを設営し、お湯を沸かしてカップ麺を食べます
テント設営も二度目となればスムーズです
せっかく北海道にいるのに特産物とか全然食べられてないですね..電気が来たら食べたいものです
停電と断水は明日までとも、1週間以上続くとも言われ、不安を抱えたまま、ひときわ綺麗な星空を眺め、のんびりと酌を交わします
この日の移動
走行距離 約230km(累計約780km)
走行時間 約4時間
どうか早く電気が来てくれますように..
どうか早く水が来てくれますように..
続く